天皇、皇后両陛下が9日に結婚30年 「様々なこと」言葉で振り返る

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多田晃子

 天皇、皇后両陛下は9日、結婚から30年を迎える。

 「ぼくが一生、全力でお守りします」

 その言葉通り、天皇陛下は皇后さまを公私にわたって支え、長女愛子さまの誕生から子育て、公務、療養中の皇后さまの治療などに常にお二人で取り組んできた。

 両陛下の出会いは1986年10月、東宮御所(当時)でのスペイン王女歓迎茶会だった。

「たくさんの喜びの時とともに、ときには悲しみの時も経ながら」

 当時、陛下は学習院大学大学院生、皇后さまは東京大学法学部の学生で外交官試験に合格した直後。92年に再会し、陛下が鴨場(かもば)で「私と結婚していただけますか」とプロポーズした。

 外交官の仕事への思いと皇室入りの不安に揺れていた皇后さまは「皇室という新しい道で自分を役立てる」とし、出会いから約6年半後に婚約。日本中が祝福モードに包まれた。

 それから約30年。皇后さまは昨年12月、59歳の誕生日に先立ち、公表した文書で、「人生のちょうど半分ほどを皇室で過ごしてきたことに感慨を覚えております」とし、「本当に様々なことがあり、たくさんの喜びの時とともに、ときには悲しみの時も経ながら歩んできたことを感じます」と振り返った。

 それから2カ月余が過ぎた今年2月、陛下は63歳の誕生日を前にした記者会見で、皇后さまが人生の半分以上を自身と一緒に皇室で過ごしてくれていることに「心から感謝するとともに、深い感慨を覚えます」とし、「二人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いながら歩んでまいりました」と述べた。

 両陛下が互いに言及した喜びや悲しみ。その一つが、長女愛子さま誕生の経緯と言えるだろう。

 「お世継ぎ」を望む内外からの重圧の中、皇后さまは2001年に愛子さまを出産。母となり初めての02年の記者会見では、「本当に生まれてきてありがとう、という気持ちでいっぱいになりました。今でもその光景ははっきりと目に焼き付いております」。涙で言葉を詰まらせながら話す背中に、陛下がそっと手を添えた。

「本当に生まれてきてありがとう」

 だが出産から約2年後、皇后…

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