日本生まれの百済の「武寧王」 没後1500年で4年ぶり日韓交流

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神谷裕司
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 古代朝鮮・百済の第25代王「武寧(ぶねい)王」の生誕地とされる佐賀県唐津市の加唐(かから)島で生誕祭が行われ、同市の県立名護屋城博物館で「没後1500年記念行事」も開催された。生誕祭は日韓の関係者が参加して2002年から続いているが、コロナ禍のため、韓国側も参加するのは4年ぶりとなった。

 梅雨の合間の好天に恵まれた3日に生誕祭はあり、加唐漁港近くの「生誕地」記念碑(06年建立)の前に、韓国から訪れた約40人を含む約200人が集まった。

 主催団体の一つ「まつろ・百済武寧王国際ネットワーク協議会」の宮崎卓会長(77)は「ようやく関係者が相集うことができた。武寧王がとり持つ縁で、これからも草の根交流が充実すれば、素晴らしい絆ができる」とあいさつした。

 共催の駐福岡韓国総領事館の朴建燦(パクコンチャン)総領事は「武寧王は韓日の交流の歴史を開いた先駆者。韓日友好親善の長い歴史を未来世代に継承してほしい」と語った。

 百済の都だった韓国・公州から訪れた団体の尹龍爀(ユンヨンヒョク)副会長(71)は、加唐島での生誕祭に15回以上参加したという。「国際交流は継続が大事だが、参加者の高齢化が問題。今後は若い世代同士が活動できるよう支援できれば」と話した。

 日本書紀などによると、461年、百済王の側室が倭(わ)国(日本)に向かう途中、加唐島で子どもを産んだとされる。後の武寧王で、502年に即位。先代の王の暗殺など危機的な状況にあった百済を安定させ、「中興の祖」と評価される。523年に亡くなったという。

 武寧王が生まれた海岸という…

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