日本維新の会で所属議員の不祥事が相次いでいる。女性大阪市議へのハラスメント問題では、幹部の対応が後手に回り、党内からも批判が上がった。さらに、党内の調査で新たなハラスメントの疑いも浮上。4月の統一地方選で新人議員を増やし、野党第1党をめざす維新だが、党の体質が改めて問われている。
地域政党・大阪維新の会が5日に大阪市の党本部で初めて開いたハラスメント研修。杉江友介総務会長は「議員としての意識をもって、行動、言動をしないといけない」と厳しい表情で語った。
対象は大阪維新の所属議員ら約340人。研修はオンライン形式で、講師の弁護士が約1時間、どんな言動がハラスメントになるのか解説した。
研修の発端は、大阪府議団の代表だった笹川理(おさむ)府議(42)の問題だ。維新所属の女性市議に不適切な言動をしたことが5月17日に文春オンラインで発覚。だが、党幹部は「深く反省して信頼確保に努めて」(横山英幸幹事長)と口頭での厳重注意処分にとどめたうえ、府議団代表も続投させる考えを示していた。
しかし、笹川氏がこの市議に性的な関係を求めるようなLINEも送ったことが22日に判明。笹川氏は同日、府議団代表を一転して辞任し、25日には離党の意向を党側に伝えた。吉村洋文代表は「事実関係を調査する」として処分を明言しなかったが、批判の高まりを受け、29日になって「除名が相当だ」と一気に重い処分に舵(かじ)を切った。
吉村氏は「(対応の)初動に不適切な点があった」と謝罪。結局、除名が正式決定したのは6月3日だった。笹川氏には議員辞職を求めているが、現在も応じていないという。今回の対応には党内からも「後手後手。党執行部は見通しがあまい」(中堅)と批判の声も上がっている。
「同期だから対応鈍かった」? 2011年の当選「同期」
前代表の松井一郎氏が4月に…
- 【視点】
橋下・松井体制のころの維新も不祥事はありましたが、世論の動向にとにかく敏感なポピュリズム的な性格もあって、そのときどきの処分の速さが印象的でした。それが今の体制になって、判断に時間をかける調整型の政党、見方を変えればある意味で「古いタイプ」
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