長浜ラーメン生まれた屋台街 「消滅」危機から復活 7軒が新規出店
九州の長浜ラーメンが生まれた福岡市・長浜地区で、屋台街が復活した。5日に6店舗が出店し、通りに明かりが戻った。かつては近くの鮮魚市場で働く人らでにぎわったが、最近は移転や廃業が相次ぎ、営業は1店舗のみだった。長浜の屋台は生き残れるか。(豊島鉄博、伊藤未来)
「プレーボール」
営業初日の5日午後7時半。市場沿いの通りに屋台の明かりがともるなか、ユニークな掛け声で乾杯する屋台があった。福岡ソフトバンクホークスファンの松清貴広さん(44)が営む、野球場をコンセプトにした「長浜市民球場」だ。
大阪府出身で、南海時代からのホークス好きが高じて2017年には福岡へ移住。試合後はいつも長浜の屋台にいた。
なじみの屋台がだんだんと消えていくことに寂しさを感じ、自ら出店を決意した。
のれんをくぐると、スコアボードに書かれたメニューが飛び込んでくる。会計は「ゲームセット」、トイレは「ブルペン」。おすすめの料理は「豚肉とピーマンのフルカウント炒め」とこだわった。
開店に合わせて訪れた、近所に住む藤井新治さん(55)は「最近は『長浜は暗い』というイメージがどうしても根付いていた。これから元気になっていけばうれしい」と喜んだ。
市場開場とともに生まれた長浜ラーメン
長浜の屋台は1955年、福岡市中央卸売市場鮮魚市場(長浜鮮魚市場)の開場とともに誕生。忙しい市場関係者が手早く腹を満たすため、湯がきやすい「細麺」や「替え玉」といったラーメン文化が生まれ、全国に広がった。
一方で、歩道の占拠や明け方までの騒音など、長浜の近隣住民からの苦情も絶えなかった。
市は2013年、営業時間や…