痴漢「トラえる」「やめなサイ」 神奈川県警と動物園がポスター制作

阿部育子
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 電車内の痴漢被害を減らそうと、神奈川県警は「よこはま動物園ズーラシア」と制作したデジタルポスターを県内の駅構内のデジタルサイネージ(電子看板)で放映している。

 ポスターでは、同園にいるトラ、ゾウ、サイ、タカなどが登場。「痴漢、盗撮は許さない! 絶対にとらえる!」「警戒強化中! 絶対に見たからな!」などメッセージにだじゃれを織り交ぜている。県警の担当者は「目を引く動物の写真を使うことで駅利用者にストレスなく痴漢防止の協力を呼びかける」と狙いを語る。

 生活安全総務課によると、昨年の電車内での痴漢の摘発件数は前年の約1・8倍の114件。新型コロナの規制が緩和され、電車利用客が増えたためとみられる。今年4月末段階でも昨年比8件増の31件となり、増加傾向にあるという。

 さらに、夏になると痴漢被害が増える傾向にある。摘発数についても昨年は4月が8件だった一方で、7月は22件と増加している。

 こうしたデータもあり、県警は今月1日から15日まで「痴漢撲滅キャンペーン」を展開。JRと小田急、相鉄の3社が乗り入れる海老名駅(海老名市)で相鉄のマスコット「そうにゃん」やJRの「ハマの電チャン」が、痴漢を目撃した際の対応などを記した啓発チラシを駅利用者らに配布した。

 同課の担当者は「被害者は恐怖で動けなくなる人もいる。目撃した人が声をかけたり通報したりなど、周囲の協力で被害を減らせる」と話した。(阿部育子)

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