「自由な国」で続けたハンスト イラン出身の男性が訴える送還の不安

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富永鈴香
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 難民申請中でも外国人の送還を可能にする入管難民法改正案の参院での審議が大詰めを迎えている。3回目の難民申請の結果を待つイラン出身の男性は、入管施設への収容と、一時的に収容を解かれる「仮放免」を繰り返されてきた。改正案が成立すれば母国へ送還される可能性があり、不安はぬぐえない。

 千葉県在住のサファリ・ディマン・ヘイダーさん(54)は来日して32年目を迎える。1979年、10歳のときにイランで革命が起きた。厳格なイスラム教の教えを国が強いるようになった。半ズボンを着てはいけない。男女が手をつないでデートしてはいけない。自由が奪われたと感じた。

 18歳になった86年。反政府デモに参加すると逮捕され、2度むち打ちの刑に処された。ベッドにうつぶせに寝かされ、首の付け根から足先まで計100回。全身は真っ赤に腫れた。

 出稼ぎで1年早く日本に住んでいた兄から「日本はいじめる人のいない自由な国」と聞き、91年に3カ月間滞在できる観光ビザで来日した。

 当時は就労ビザを持たない多数の外国人が働いていた。サファリさんも外壁工事の仕事に就いた。

 それから20年近くビザはなかったが、真面目な仕事ぶりが評価された。道ばたで警察官に職務質問を受けても、在留資格は問題にされなかった。

 事態が急変したのは2010…

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