IH調理器だから作りやすいレシピがある 脇雅世さんが出した答え

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 料理研究家の脇雅世さん(68)は、この20年あまり、仕事場のキッチンスタジオでIHクッキングヒーターを使っています。

 火力を強めればすぐ湯が沸き、ガスコンロでは立ち消えてしまいそうなとろ火も安定している。「火力の幅広さ、温度管理の容易さはガスを上回ります」と脇さんは言います。

 ガスコンロは炎で直接鍋を熱しますが、IHは磁力線の力で鍋底自体をヒーターのように発熱させる仕組み。燃焼に伴う上昇気流が少なく、また衣服に着火することもなく、落ち着いて調理ができます。

 ただ、使ってみて、あれ?と戸惑うこともありました。オムレツを焼こうと卵液をフライパンに流し入れても、うまく形が作れないのです。あれこれ試し、IHは鍋底を発熱させても、側面までは熱がなかなか伝わらないためだと気づきました。

 熱源を変えたら、道具も変えないと。調理用具メーカーと共同で鋼材選びから始め、熱効率に優れ、側面への熱まわりがよいフライパンと卵焼き器を開発しました。2008年のことです。以来、両手鍋や中華鍋なども加えシリーズ化しています。

 水分の蒸発量が少ないので、鍋に入れる水分量をガス火よりも控えめにするといったコツもあります。脇さんの自宅はガスコンロ。二つの違いを熟知した上で「IHとの出合いは、加熱調理というものを設備と道具を含めていま一度考えるようになった転換点です」と話します。

 今回のお菓子は、フランスで定番の洋梨を使ったデザート「ポワール・ベル・エレーヌ」のアレンジ。IHの特性を生かせるレシピです。

 カスタードクリームは、鍋の…

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