準Vの金光大阪、2年生が力投 「練習量を増やして夏へ実力つける」

小島弘之
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(4日、春季近畿地区高校野球大会決勝 智弁学園10―0金光大阪)

 10失点の大敗。だが、夏に向けて収穫もあった。

 金光大阪の唐渡智大投手(2年)は8点差の五回裏、1死満塁のピンチを迎えた。ベンチからエースのキャリーパトリック波也斗(はやと)投手(3年)が伝令へ。唐渡投手に声をかけた。

 「バッターとの勝負に集中しろ。正々堂々と」

 その言葉で肩の力が抜けた唐渡投手は、相手の6番打者を外野フライに、7番打者を三振に抑えた。

 六回、七回も無失点の力投を見せていた。だが、球数が100球を超えた八回裏、相手打者に甘く入ったスライダーを捉えられ、ランニング本塁打を許した。

 唐渡投手は試合後、「制球力がまだまだ足りない」と肩を落とした。

 金光大阪は、エースのキャリー投手が中心のチームだ。春の大阪府予選では初優勝し、近畿大会の初戦と準決勝でも、キャリー投手が完投して勝ち進んだ。

 そんな「エース頼り」の側面があるなかで、下級生の唐渡投手が見せた粘り強さ。横井一裕監督は「直球が良かった。夏にはゲームをつくれるような投手になれば」と期待する。

 夏の甲子園に出るためには、大阪大会を最大8回勝つ必要がある。唐渡投手は「夏の大会は投手1人じゃ勝ち進めない。チームが勝つために、練習量を増やして実力をつけていかなければ」と前を向いた。(小島弘之)

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