5類だから大丈夫、ではない コロナ以外の感染症も注意 移行1カ月
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類になって8日で1カ月となります。全数報告が定点医療機関からの報告になり、コロナとの向き合い方も大きく変わりました。川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「5類だから大丈夫、ではなく、基本的な注意は必要だ」といいます。
――5月28日までの1週間のコロナの定点あたりの感染者数は全国で3・63人と、前週(3・55人)から微増でした。現在の感染状況をどう分析しますか。
患者は微増 さらに増える可能性も
「4月上旬から、患者数の微増傾向が続いています。ウイルスそのものが消え去ったわけではありません。感染症は、免疫を持っていない、あるいは免疫が低い人がかかりますので、ウイルスが私たちの周りに残って、かかりやすい人がそこにいるのであれば、感染する人が発生します」
――いわゆる「第9波」にはまだ入っていませんか。
「どのくらい増えたら第何波という定義はないですが、今のところは、大きい波にはなっていません。患者が増えて大きい波になると、その病気が軽いとしても重症者も出ることになり、欠勤者や外来患者、入院者数が増え、人々の生活に大きな支障が生じます。無理をしない程度に、注意を払っていくことが必要だと思います」
――今後、感染者がさらに増える可能性はありますか。
「はい。インフルエンザのように流行する季節がはっきりしている病気は、ある時だけ注意すればいいわけですが、コロナはまだ季節性がはっきりしていません。ある程度、感染が広がりそうな時には、季節を問わず注意しなければなりません」
――ワクチンを最後に接種した日から、時間が経った人も多くなりました。免疫を持っていない人が多いのでしょうか。
「これまでに接種したワクチンに意味がなかったわけではなく、それによって基本的な免疫を持っていることになります。コロナにかかるか、かからないかと言われれば、ワクチンを接種してもかかる可能性はあります。ただ、症状は重くなりにくい、軽くすみやすいと言えます」
――なぜでしょうか。
「例えば、こどもの病気で、ロタウイルス感染症という下痢の病気があります。このウイルスには何回でもかかってしまいます。でも、かかったことのあるこどもは、次にかかった時には重症にはなりません。はしかや水ぼうそうのように、1回かかれば二度とかかることはほぼない病気もあります」
「ただ、コロナは1回かかっ…
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