コロナ検査の不正、兵庫でも 他事業者も調査へ 450万円不交付に

鈴木春香
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 兵庫県は7日、新型コロナウイルスの無料検査事業で、1事業者が未承認の検査キットを使う不正をしていたと明らかにした。事業者側から申請のあった補助金約450万円は不交付にしたといい、他の事業者についても今後調査をするという。事業をめぐっては東京都大阪府でも不正が相次いで発表されている。

 事業は2021年12月~今年3月、国の交付金を使って県が実施した。この事業者は昨年4月に検査を始めたが、県に情報提供があり、7月の立ち入り調査で薬事承認されていない抗原検査キットを使用していることが判明。補助金を不交付とした。

 県内では約110事業者が359カ所で検査を担い、事業費は計74億円だった。斎藤元彦知事はこの日の会見で全事業者を調査する方針を示し、「不正が判明したら返還を求める」と話した。県内で不正が明らかになったのは初めて。県は、交付に至らなかったためとして業者名を明らかにしていない。

 無料検査事業をめぐっては、東京都や大阪府も今月、検査件数を水増し報告するなどの事例があったことを発表。東京都では11事業者に不正があり、申請額は22年度分で計約183億円に上った。交付決定済みだった約37億円を含め交付を取り消したほか、支給済みの約17億円は返還を命じている。大阪府は7事業者に対し計約42億8千万円を不交付にするとした。(鈴木春香)

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