マイナンバーとひもづけされた本人以外の家族名義の口座は、13万件にも上っていた。デジタル庁は2月にこの「家族口座」の存在をつかみながら、問題を明らかにせず対策もとらなかった。うかがえるのは、マイナンバー制度の「普及ありき」で臨むずさんな政府の対応だ。
13万件の家族口座の存在を公表した7日の河野太郎デジタル相の会見はオンラインで行われ、1時間に及んだ。政府対応の問題を繰り返し問われ、「日本だけデジタル化に背を向けることはできない」などと主張。デジタル化を進めるうえでミスが起きるのはやむなしとの考えを示した。
同時刻に官邸であった会見で松野博一官房長官は「国民に不安を与えていることは大変遺憾」「関係省庁一丸となって不安解消への対応を講じていく」と語っていたが、河野氏の会見から強くにじんだのは「制度普及が最優先」との姿勢だった。
もともと岸田政権は、「突破力」を持ち味とする河野氏を旗振り役にマイナンバー制度の普及を進めようとしていた。
「我が国のDX(デジタル化…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら