吉野ケ里の石棺内部、「来週にも概要判明」 4枚目石蓋「線」なし
三ツ木勝巳
弥生時代の大環濠(かんごう)集落、吉野ケ里遺跡(佐賀県吉野ケ里町、神埼市)で新たに見つかった石棺墓の内部調査を進めている佐賀県は7日、判明した内容を報道陣に説明した。1枚だけ残っていた石蓋(いしぶた)を外したが、ほかの石蓋で見られた線の刻みはなかった。担当者は人骨や副葬品の有無などについて、来週中には概要が把握できそうだとの見通しを示した。
6日は雨のため調査を見送り、この日午前8時半に再開。4枚の石蓋のうち、残っていた最後の小さな石蓋を外した。5日に外した3枚のうち、2枚は外側に、1枚は内側の表面に「×」や「キ」などの線が刻まれていたが、この石蓋にはなかった。
また、この日の作業で石棺の長径の内側が約180センチということも分かった。今後の作業手順も決め、石棺を八つの区画に分けて掘り下げることにした。石棺の上には区画分けのために幾筋もの水糸が張られた。
県文化課文化財保護・活用室の白木原宜室長は「人骨や副葬品の内容が分かるのが当面のゴール。そこまで分かるのが来週中かなと考えている。時間がかかるかもしれないが丁寧にやっていきたい」と述べた。(三ツ木勝巳)