「マイナの哲学、理解不足」 識者が指摘する「家族口座」問題の根源

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聞き手・松本真弥
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 マイナンバーにひもづける公金受取口座に、本人ではない家族の口座が登録されたケースが、少なくとも約13万件確認された。河野太郎デジタル相が7日、公表した。登録されたのが「家族口座」の場合、子ども向けの給付金などは本人に渡るのが遅れる可能性がある。中央大学の宮下紘教授(憲法)は「デジタル庁マイナンバー制度の哲学を理解していない」と指摘する。どういうことなのだろうか。

 ――家族口座へのひもづけは約13万件にものぼることが分かりました。

 「マイナンバーカードを健康保険証として使う『マイナ保険証』に他人の情報をひもづけるなど、これまでのミスと比べて、大きな規模だ。決して見過ごせない。原因はヒューマンエラーでもシステムエラーでもなく、マイナンバー制度の哲学の理解の不足だと見ている」

 ――どういうことでしょうか。

 「制度の基本は個人主義。か…

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マイナンバー問題

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