付属池田小で追悼の集い 児童8人の命奪われた事件から22年

田中祐也
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 大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)で児童8人が殺害され、15人が重軽傷を負った事件は8日、発生から22年になった。学校では「祈りと誓いの集い」が開かれ、児童や遺族、教職員らが参加。事件が起きた午前10時過ぎ、亡くなった8人の名前を刻んだ塔の鐘を鳴らし、黙禱(もくとう)した。

 事件当時に同校の教員だった真田巧校長はあいさつで、学校や子どもが襲われる事件が今も続いていることに触れ、「学校の安全に絶対はありません」と述べて、常に安全対策の改善に努める大切さを訴えた。学校と自治体、関係機関が連携し、「地道な取り組みを継続していくことが学校の安全管理の徹底を促すことにつながる」と語った。

 各学級の児童による献花が行われた後、在校生を代表して、6年生の児童が「『命を大切に』を合言葉に、今後もみんなが平和で幸せに暮らすことができる社会にするために身近なことから発信していく」と誓った。

 集いの前には、6年南組で「安全科」の授業があり、テレビモニターを通じて報道陣に公開された。児童は、事件から1年後に開かれた「集い」を題材に、当時の在校生の気持ちに思いをめぐらせた。田中祐也

大教大付属池田小事件

 2001年6月8日午前10時過ぎ、包丁2本を隠し持った宅間守・元死刑囚(04年9月に死刑執行)が校内に侵入し、校舎1階の四つの教室や廊下で児童らを襲った。2年女児7人と1年男児1人が死亡、児童13人と教諭2人が重軽傷を負った。事件を機に、学校の安全対策を見直す動きが全国に広がった。

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