失格の加藤未唯、仲間に救われて決勝へ 全仏テニス・混合ダブルス
テニスの加藤未唯(28)=ザイマックス=がパリで開催中の4大大会、全仏オープンの混合ダブルスで決勝に進んだ。思わぬアクシデントで注目を集めた悔しさをバネに大舞台にたどり着いた。
4日の女子ダブルス3回戦で、ポイント間に加藤が相手コート側に送った球がボールガールに直撃。危険な行為とみなされ、失格となった。加藤は自身のSNSで「ボールガールに謝罪したい」とコメントしたうえで「賞金と(ランキング)ポイントを没収された」とも明かした。
加藤は故意ではないと主張し、処分を不服として4大大会側を提訴したが、判断は大会後になると告げられた。「(失格後は)何に対しても気持ちが入らない」と落ち込み、一時は帰国も考えたという。
救ったのは世界中の仲間たちだった。プロテニス選手協会は6日にSNSで「判定は不当で不公平だ」との声明を発表。「少なくとも、(加藤が没収されたという)賞金とポイントは戻すべきだ」とした。
また、加藤のもとには多くの応援メッセージが届き、全仏では今まで知らなかった選手たちからも声をかけられたという。「すごく励みになった」
加藤の主戦場は女子ダブルスだが、ティム・プッツ(ドイツ)と組む混合ダブルスも気持ちを切り替え、一つ一つのプレーに全力を注いだ。「私が(全仏で)できる試合は混合ダブルスしかない。目の前の試合を頑張ろうと思っただけ」。昨年優勝した柴原瑛菜(橋本総業)に続き、日本選手として2年連続でこの種目の決勝進出を果たした。
「失格になった選手としか認識されていないから、それなりにプレーできるところを見せたいと思っていた。リベンジというか、女子ダブルスの分まで頑張りたい」。そんな意気込みで8日の決勝に臨む。(パリ=野村周平)
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