同性婚、踏み込んだ判決相次ぐ 言行不一致の政治との落差際立つ

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遠藤隆史 金子和史
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 同性婚が認められないのは憲法違反だとして、同性カップルらが全国5地裁に起こした一連の訴訟で、福岡地裁が8日、「違憲状態」との判決を言い渡し、一審判決が出そろった。「違憲」が2件、「違憲状態」が2件、「合憲」が1件との結果になった。

 同性婚をめぐる今回の5訴訟は2019年に起こされた。過去に正面から争われたことがない新しいテーマだったが、最初から踏み込んだ判決が相次いだ。一方、以前から訴訟になってきた「選択的夫婦別姓」では、別々の名字を認めない規定を違憲と判断することに、裁判所は下級審から消極姿勢をとってきた。

 共に「家族のあり方」を問う裁判ながら、なぜ違いが生まれたのか。

 あるベテラン裁判官は「少数者の権利侵害の是正」が司法の役割とした上で、「性的少数者である同性カップルを法律婚から完全排除する権利侵害は大きく、憲法上許容できないと判断しやすかったのでは」とみる。

 別の裁判官は「同性婚は婚姻自体が認められていない」とし、名字の変更には様々な問題があるが、婚姻が不可能なわけではない夫婦別姓との違いを指摘する。「夫婦別姓訴訟を意識しているわけではないと思うが、個別の案件として判断すると権利侵害を認めやすいのでは」

論点整理まだ 裁判官の価値観反映か

 夫婦別姓は1990年代に法…

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