空自のセクハラ、国が大筋で認める 訴えた自衛官「隠蔽はできない」

伊木緑
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 航空自衛隊の女性自衛官が同僚からのセクハラを訴えたのに、必要な措置が取られず不利益な扱いを受けたとして国に対して損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こし、8日、第1回口頭弁論があった。国側はセクハラ行為については大筋で認めた一方、訴えに対する対応が不十分だった点などについて争う姿勢を示し、請求棄却を求めた。

 女性は現役の自衛官。原告側によると、那覇基地に配属された2010年以降、先輩の男性隊員から、身体についての揶揄(やゆ)や、交際相手との性行為について尋ねられるなどのセクハラを受けた。自衛隊内で被害を申告したが、謝罪や配置換えなどの措置も取られず、セクハラ防止のための研修の中で女性の実名を公表するなど不適切な対応があったという。

 原告の女性は会見で、「声を上げても組織の力に押しつぶされるものだと認識されてしまうと、被害者が声を上げられなくなってしまうと同時に、新たな加害者に『組織は(自分を)守ってくれる』という意識を植え付けかねない。隠蔽(いんぺい)することはできないということを裁判を通して証明していきたい」と話した。伊木緑

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