定数8、くじ引き落選の村議候補当選へ 当選者が公選法違反で辞職

倉富竜太 高嶋健
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 4月23日投開票の大分県姫島村議選(定数8)で当選した藤本好一氏(76)=7期=が、8日までに「一身上の都合」として辞職願を村議会議長に提出し、許可されていたことがわかった。藤本氏は6日、大分簡裁から公職選挙法違反の罪で罰金の略式命令を受けた。

 木野村敏雄議長によると、辞職願は7日朝、村役場で藤本氏から直接受け取ったという。木野村議長は「一身上の都合と言っていた。本人から提出されれば、受理せざるを得ない」と話した。

 大分県警は、藤本氏とみられる候補者1人と運動員3人が告示前に11人に対して投票を依頼し物品を配った疑いがあるとして、計15人を公選法違反(事前運動、物品買収)の疑いで書類送検していた。関係者によると、藤本氏は、投票を依頼する目的で有権者にビールなどを渡したとみられる。

 藤本氏は6日、大分簡裁から公選法違反の罪で罰金50万円の略式命令を受けた。取材に対し「もう議員は辞職したので、コメントすることはありません」とした。略式命令は14日間以内に本人が正式裁判の請求をしなければ確定し、藤本氏の当選は公選法の規定により選挙期日にさかのぼって無効となる。

 藤本氏は取材に対し「正式裁判の請求はしない」とも述べた。

 姫島村選管は9日、選挙会を開き、公選法の規定に基づき、村議選で最下位当選者と同数でくじ引きにより次点となった追崎貞一氏(71)の繰り上げ当選を決める見込み。

 今春の統一地方選と参院大分選挙区補選で県警は、7日までに公選法違反の疑いで5事件26人を検挙していた。(倉富竜太、高嶋健)

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