カンヌに輝いた余白の少ない坂元脚本 安藤サクラが定めた個人的目標
文・石飛徳樹 写真・伊ケ崎忍
カンヌで脚本賞を受けた「怪物」に出演した安藤サクラ。坂元裕二の綿密な脚本に乗っかりすぎないことを目標にしたという。
学校で起こった、とある出来事。母親に見えている風景と、教師に見えている風景とではまるで異なっている。そして子供から見た風景もまた……。「怪物」の複雑な構成は黒澤明監督の「羅生門」を思わせる。
映画はまず、彼女が演じた母親の視点から始まる。母親は、学校のひどい対応のせいで息子が傷ついたと思っている。「少しのニュアンスの違いで、次のパートの見え方が全く変わってしまいますよね」
さぞ気を使ったのではないかと問うと、意外な答えが返ってきた。
「いつもはいろんな視点から…
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