仏南東部で子どもらをナイフで襲撃、シリア国籍の男を逮捕 4人重体
フランス南東部アヌシーの公園で8日午前、刃物を持った男が子どもらを襲う事件があり、6人が負傷した。仏当局によると、負傷者のうち4人はいずれも幼児だった。現場に駆けつけた警察がまもなく男を逮捕し、殺人未遂の疑いで捜査している。マクロン大統領はSNSで犯行について「卑劣な攻撃だ」と非難した。
ボルヌ首相と地元検察がアヌシーで会見を開いた。現場は町の中心部にあるアヌシー湖の湖畔にある公園で、容疑者の男は8日午前9時45分ごろ、公園の遊具エリアで遊んでいた子どもらをナイフで襲撃。1~3歳の子ども4人と大人2人が負傷した。子ども4人は重体で、このうち2人は英国籍とオランダ国籍で、フランスには旅行で来ていた。
ボルヌ首相や仏メディアによると、容疑者はシリア国籍の30代の男で、昨年11月にフランス当局に難民としての保護を申請していた。一方で、スウェーデンで10年間暮らしており、今年4月には同国で難民認定を受けていた。襲撃の動機は分かっていないが、テロを目的とした犯行の証拠は見つかっていないという。
マクロン大統領はツイッターで犯行を非難し、「子どもたちと大人1人が生死の間にある。私たちの思いは負傷者とその家族、救助に当たる人たちとともにある」と投稿した。
アヌシーは人口約13万人の都市で、フランスでは保養地として知られ、1年を通じて観光客が多く訪れる。(パリ=宋光祐)