女性宅にいたヘルパーが出廷、事件当日の状況を証言 ALS嘱託殺人

光墨祥吾 山本逸生
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 京都市で2019年、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)に依頼され、薬物を投与して殺害したとして、嘱託殺人などの罪に問われた山本直樹被告(45)=医師免許取り消し=の第2回公判が8日、京都地裁であった。当時女性宅にいたヘルパーが出廷し、山本被告らが部屋を出た後、女性に声をかけたり肩を揺すったりしたが「反応がなかった」と証言した。

 検察側は、山本被告が、医師の大久保愉一(よしかず)被告(45)=同罪などで起訴=が薬物を投与する間、ヘルパーの入室を阻止したと主張している。

 女性は24時間態勢で介護を受け、当日夕方はこのヘルパーが担当だった。ヘルパーは尋問で、女性の友人が来る予定で「寝ていても起こさなくて良い」と聞かされていたと述べ、男性2人が来訪して女性の寝室に入り、女性と3人だけになったと説明した。

 ヘルパーはその後2度寝室に入ったといい、女性の様子は1度目が「目を開いた状態」、2度目は「見ていない」とした。だが、訪問者の名前を書いてもらうために3度目に入室しようとすると、「ドアの前に男性1人が立っており(女性の様子は)見えなかった」と述べた。

 男性2人の滞在時間は「20分か25分か」とし、立ち去った後、女性に声をかけたが反応がなく、主治医などに連絡したと証言した。

 弁護側は山本被告が入室を阻止したとする検察側の主張を否定し、大久保被告による犯行だとして無罪を主張している。(光墨祥吾、山本逸生)

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