難民認定の申請中でも外国人の送還を可能にする入管難民法改正案が8日、参院法務委員会で可決された。難民認定のあり方への疑問や、施行後の運用への不安の声が残る中、9日に成立する見通しだ。
「強行採決するな!」「命がかかっている!」
午前10時半ごろ。職権で採決をしようとした杉久武・参院法務委員長(公明)の周囲に野党議員らが詰め寄り、委員会室に怒号が飛びかった。
室内では、名古屋出入国在留管理局に収容中の2021年に亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族も傍聴していた。妹のワヨミさん(30)は「法案には反対の声も多く出ているのに、聞く耳を持たずに可決したことはとても残念でならない」と語った。
国会の外には、法案に反対する市民ら約300人(主催者発表)が集まり「国家による弱い者いじめだ」などと訴えた。
法案をめぐり、次々に浮上した問題
今回の改正案は、21年に政…