「少数民族の青少年は標準語を」 習氏が内モンゴル自治区で訓示

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北京=林望
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 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は視察先の内モンゴル自治区で、少数民族の子らが通う学校で標準中国語の使用を徹底するよう命じた。同自治区では3年前、学校の授業でモンゴル語の地位を狭める政策が導入され大きな反発を呼んだが、譲歩しない構えを改めて示した。

 9日付の共産党機関紙、人民日報が伝えた。7~8日に同自治区を視察した習氏は現地の幹部らに訓示するなかで、「中華民族としての共同体意識を打ち固めることが新時代の民族政策の主軸だ」と強調。学校で国家統一教材の使用を徹底し、「各民族の青少年が国家共通の言葉と文字をしっかり使えるようにせねばならない」と求めた。

 政府の分類では中国には人口の9割以上を占める漢族のほか、55の少数民族がいる。少数民族地域の学校では長年、民族固有の言葉でも授業が行われてきたが、習指導部の下、「普通話」と呼ばれる標準語の使用を義務づける動きが拡大。標準語のレベルが十分でないと評価された少数民族出身の教師らが、従来の受け持ちを外されるなどの動きが出ている。

 内モンゴル自治区では2020年、小中学校の「国語」の授業を標準語で行う方針が示され、保護者や教員らが「民族文化の危機だ」と抗議したり、授業をボイコットしたりする騒ぎになった。習氏が改めて民族教育の標準化を命じた格好で、各地の教育現場で引き締めが強まりそうだ。

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