金融庁、千葉銀・武蔵野銀を処分へ 監視委「仕組み債」で勧告

栗林史子
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 証券取引等監視委員会は9日、高い利回りをうたうが元本割れのリスクもある複雑な金融商品「仕組み債」の販売をめぐり、千葉銀行と傘下のちばぎん証券、武蔵野銀行さいたま市)を行政処分するよう金融庁に勧告した。仕組み債の販売が問題視されて以降、行政処分が勧告されるのは初めて。金融庁は勧告を受け、今後、業務改善命令などの処分を検討する。

 仕組み債は金融派生商品デリバティブ)を組み込んだ債券。日本銀行による超低金利政策で、貸し出しによる利益が減る中、比較的高い手数料を得られることから地銀が販売に力を入れていた。だが、投資家が損失を訴え、販売した金融機関とトラブルになるケースが相次いでいた。

 金融商品取引法では、金融機関は顧客の年齢や知識、投資目的などに合わせて商品の販売や勧誘を行うべきだとする「適合性の原則」が定められている。

 監視委によると、千葉銀と武蔵野銀は、ちばぎん証券が扱う仕組み債を、属性が合わない顧客に提案。客の紹介を受けたちばぎん証券は、適合性の原則に違反して、仕組み債の勧誘や販売をしていたとしている。

 金融庁が適合性の原則違反で行政処分を行えば、2004年3月以来、2例目となる。金融庁は昨年8月、「仕組み債はリスクやコストに見合う利益が得られない場合がある」などとし、仕組み債を販売する金融機関の監督を強化する方針を決めている。栗林史子

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