「大きな判断出た」わが子に伝えたい 軽井沢のバス事故、社長ら実刑

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遠藤和希 佐藤仁彦
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 大学生13人が亡くなった軽井沢町でのスキーツアーバス転落事故から7年あまり。運行会社長ら2人に長野地裁で実刑判決が言い渡された。判決は償いにつながり、大きな意味を持つ。しかし、苦しみは続く――。残された家族たちは判決を受け、今も悲しみを抱えるつらい胸の内を語った。(遠藤和希、佐藤仁彦

 「被害者や我々遺族への償いになると思います」。8日午後、バス運行会社長の高橋美作被告(61)と運行管理者だった元社員の荒井強被告(54)への実刑判決から約1時間後に開かれた遺族側の記者会見。大学2年の次男、寛(かん)さん(当時19)を亡くした田原義則さん(57)は判決について「大きな意味を持つ」と評価した。

 ただ、険しい表情は終始変わらなかった。両被告が事故を予見することができたと認定した判決に「逆になぜ(事故を)回避できなかったのか。すごく悔しい」とし「判決を受け止めて欲しい」と言った。

 他に会見した遺族の大谷(おおや)陸人(りくと)さんの父慶彦さん(58)、池田衣里(えり)さんの父彰さん(58)、西堀響さんの父(63)もそれぞれの息子、娘の名前を挙げながら、7年あまりの複雑な胸中を明かした。

 家族たちは事故後、田原さんを代表とする遺族会を結成し、刑事責任の追及や国への申し入れも続けてきた。事故を起こした企業を罰する「組織罰」導入の必要性を訴えてきた。家族らは、技量が足りない運転手による事故を防いでいくために「国交省との意見交換を続けていこうという決意を持った」と語った。今回の判決がバスだけでなく、乗客を乗せるあらゆる事業者にとって「警鐘になったのではないか」とも述べた。

7年半、遺族は苦しんできた

 遺族らの記者会見での主なや…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2023年6月10日21時22分 投稿
    【視点】

    遺族が動き、社会を変えた。その成功が語り継がれ、人々を勇気づけ、さらに社会を変えていく。一歩を踏み出し、成果を築きあげた営為は尊い。

    …続きを読む