宝塚公演、海外へ初めてライブ配信 ファンから「ありがたい」の声も

有料記事宝塚歌劇団

田部愛
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 世界のどこからでも、タカラヅカを――。宝塚歌劇団は6月11日、公演を初めて世界にライブ配信する。これまでも国内向けの配信はあったが、今回は200以上の国や地域に拡大。海外ファンの中には、「タカラジェンヌと同じ時間を味わえる」と喜びの声をあげる人もいる。

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 配信するのは、東京宝塚劇場東京都千代田区)で上演される宙組公演「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」の千秋楽。イアン・フレミングの小説をもとに演出家の小池修一郎さんが脚本・演出をてがけた、「宝塚版007」だ。

 ボンドを演じるトップスターの真風涼帆(まかぜ・すずほ)さん、相手役のトップ娘役である潤花(じゅん・はな)さんがこの日で退団するため、普段以上に注目されている公演でもある。

国内での配信は2020年から

 宝塚歌劇団の公演はもともと、2007年から国内の映画館でライブビューイングを実施。20年7月の花組公演からは、自宅で視聴できるよう、公演のライブ配信をはじめた。コロナ禍の感染対策で客席数を減らすなか、「より多くの人に見てほしい」と企画されたものだ。

 以降、ほとんどの公演で配信日が設けられ、今では国内のファンにおなじみの存在になっている。

 配信や映像製作を手がける「宝塚クリエイティブアーツ」によると、ライブ配信とライブビューイングを合わせた視聴者数は、20年度が約42万人、21年度が約61万人、22年度が約58万人だった。

 海外向けには、台湾で14年から、香港で16年から、ライブビューイングを定期的に開催してきたという。

配信への関心の高さ 後押しに

 なぜ今回、初めて海外へのライブ配信をするのか。

 宝塚クリエイティブアーツは「宝塚歌劇団はこれまでも海外公演をしたり、ライブビューイングをしたりするなど、国外向けの取り組みをしてきた」と背景を説明。そのうえで、今回はトップコンビが退団する注目度の高い公演であることや、近年配信への関心が高まっていることを考慮し、企画したという。

 配信は、グローバルコンサート配信プラットフォーム「Beyond LIVE」を通じて実施。英語、韓国語、中国語(簡体、繁体)、インドネシア語、スペイン語、ベトナム語、タイ語の字幕に対応している。視聴料は27ドルと、国内向けの配信(3500円)とほぼ変わらない値段だ。

 これからの公演でも海外配信を続けるかは未定だが、「今回の初めての試みをふまえて、検討していく」としている。

■海外ファン「友達に宝塚を紹…

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