歌のお兄さんと手話で会話 「おかあさんといっしょ」公演にろう者
5月にあったNHKEテレの人気番組「おかあさんといっしょ」のコンサートに、ろう者が出演し、歌のお兄さんらと共演した。NHKによると、1980年代ごろから続く同コンサートで初の試みという。ステージで演じたのは……。
公演は「おかあさんといっしょファミリーコンサート」で、5月初旬に東京・渋谷のNHKホールで開催。「しれば・・・トモダチ?ぴょんぴょんびょ~ん!」と題し、異質な相手と友達になる過程や魅力を子どもたちに伝える内容だった。
出演したのは、ダンサーやモデルなどで幅広く活動し、手話の魅力を伝える活動も続ける、ろう者のにゃんこさん。前半、音や声を使わない虫たちが歌のお兄さんらと出会い、手話や絵で会話する。その場面で、虫のキャラクターの一つに扮した。
歌のお兄さんに「りんご」や「うれしい」を手話で伝えて、歌に合わせて一緒に踊ったり、他の聴者のダンサーらと話し合ったり。ステージで自身が動き出すタイミングについては、共演者らと入念に打ち合わせ。共演者の表情の変化や、アイコンタクト、ダンスの特定の動きを合図にした。「共演者のみなさんが私を支えてくれて、その状況が良い雰囲気を生む様子を、子どもたちの前で表現できてよかった」
コンサートを担当した野崎瑛理子プロデューサーは「聞こえない人と聞こえる人が友だちになるとはどういうことかや、豊かな手話の文化のリアルを表現したかった」と説明する。
コンサートの様子は18日午後3時55分から、EテレとBS4Kで放送される予定。(平岡春人)