戦略的ODAで中国に対抗 8年ぶり大綱改定、「オファー型」強化

有料記事岸田政権

高橋杏璃
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 政府は9日、途上国援助(ODA)の基本方針となる新たな「開発協力大綱」を閣議決定した。インフラ整備などを通じ途上国への影響力を高める中国に対抗しようと、ODAをより戦略的に用いる「オファー型協力」の強化を打ち出した。十分な予算を確保できるか、軍事目的で用いられることをどう回避するかといった課題も横たわる。

 大綱の改定は2015年以来8年ぶり、3回目。ロシアによるウクライナ侵略や中国の覇権主義的な動きを強く意識した内容となった。冒頭の策定の趣旨に、「自由で開かれた国際秩序及び多国間主義は重大な挑戦にさらされ」、多くの途上国が打撃を受けていると書き込んだ。

 ODAを「外交の最も重要なツールの一つ」と位置づけ、途上国の開発や気候変動などの課題の解決に取り組むとした。「我が国及び世界にとって望ましい国際環境を創出」するとし、中ロに対抗するため、途上国を日米欧側に引き寄せる狙いをにじませた。法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の推進も盛り込んだ。

 今回、特に強調したのは日本…

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