焦る首相、妥協したLGBT法案修正 G7声明、党内保守派へ配慮
性的少数者に対する理解を広めるための「LGBT理解増進法案」が9日、急転直下の修正合意の末、衆院内閣委員会で可決された。通常国会の会期末ギリギリになって、ようやく可決された背景には、世論や党内の反発を懸念した岸田文雄首相の号令があった。
8日昼、首相官邸。携帯電話を手にした首相は、安倍派の会合に出席していた自民党の萩生田光一政調会長に指示した。「維新と国民民主も巻き込んでやってほしい」。他の党幹部にも「このテーマは(与野党対立で)分断を呼ぶようなことにしてはいけない」「なるべく(多くの党の賛同を得て)ウィングを広げる努力をしないといけない」と対応を求めた。
今回の動きはもともと、今年2月にあった自身の首相秘書官による性的少数者に対する差別発言がきっかけだった。すぐに党幹部に法案の提出準備を指示したが、党内保守派の反発は強かった。自民を含めた超党派でまとめた法案ではなく、保守派の意向を反映した独自案を提出したことで、同様の3案が国会に提出される異例の事態に。与党案を押し切らざるを得ない状況に陥っていた。それに首相は焦っていた。
修正協議の実務を担ったのは…
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- 【解説】
記事中に「(LGBT法案に対する)自民党内保守派の反発は強かった。自民を含めた超党派でまとめた法案ではなく、保守派の意向を反映した独自案を提出したことで、同様の3案が国会に提出される異例の事態に。与党案を押し切らざるを得ない状況に陥っていた
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