万博会場~兵庫、アクセスがカギ P&G社長ら、県と意見交換 神戸
鈴木春香
2025年の大阪・関西万博にあわせて兵庫県が展開する「ひょうごフィールドパビリオン」に海外の客を呼び込むため、県は9日、県内を本拠とする外資系企業「P&Gジャパン」の社長らを招いて意見交換をした。交通手段などの課題についてアイデアが出され、県は今後の検討に生かすとした。
ひょうごフィールドパビリオンは県内各地の産業や文化、SDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みを紹介するもので、これまでに約130のプログラムが認定された。
P&Gジャパンのヴィリアム・トルスカ社長とスタニスラブ・ベセラ前社長が訪れたのは、プログラムの一つで灘五郷の日本酒作りにおける脱炭素などの取り組みを紹介する神戸酒心館(神戸市)。270年以上にわたり日本酒を造ってきた酒蔵だ。2人は安福武之助社長から酒づくりの工程や環境に配慮した酒の説明を英語で聴き、同社の酒「福寿」を試飲した。
トルスカ氏は、素晴らしい体験だったと内容を評価。同席した斎藤元彦知事に「成功のカギは交通機関だと思う」と話した。大阪から兵庫へ誘客するため、複数のプログラムを回れるツアーや、客が乗る時間を自由に選べる周遊バスの導入などを提案した。
ベセラ氏も、ノーベル賞公式行事で出されたこともある福寿のブランドに魅力があるとし、航空会社と提携して機内誌に情報を載せることなどを提案。「海外で勤務するP&Gのマネジャーらを連れてくるイベントを企画したい」とも話した。
大阪から兵庫へ客をどう運ぶかは県も課題に挙げている。斎藤知事は二人の助言を踏まえつつ、「バスツアーや公共交通機関の乗り放題プランなどを検討していきたい」と話した。(鈴木春香)