当選4日後に出産の市議、次女を抱き初登庁 授乳室で寝かせ議場へ

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東孝司
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 妊娠中に徳島県小松島市議選に立候補し、初当選から4日後に第2子を出産した間愛結美(はざまあゆみ)市議(30)が9日、初めて本会議に出席した。市議会は間さんが赤ちゃんを連れて議会活動できるよう「授乳室」を設けるなど、新人議員を温かく迎えた。

 精神保健福祉士の間さんは、第1子の長女晴咲(ひより)ちゃん(3)を出産した後、「子育て当事者の声を市政に届けたい」と立候補を決断。その後、第2子の妊娠が分かったが決意は変わらず、4月23日投開票の市議選に立候補した。選挙中は「やっと寝てくれたと思った長女があの連呼で起きてしまった」という経験から、選挙カーでの名前の連呼はせず、窓から手を振ってアピールした。当選者17人中の14位だった。

 議会活動の初日となった9日午前、間さんは夫の統一さん(42)運転の車で晴咲ちゃんをこども園へ送ったその足で、市庁舎に到着。生後1カ月余りの次女彩晴(いろは)ちゃんを抱き、2階の議会フロアへ上がった。議員控室ではなく、図書室のプレートがかかった「授乳室」に入り、彩晴ちゃんをベッドに寝かせた後、議場へ向かった。

 「授乳室」は市議会図書室の一角をパーティションで区切り、ベビーベッドを置いて設けられた。当選後、間さんが同じ会派の議員に「授乳したり、家族が待機したりできる場所があれば助かります」と相談。市議会の全員協議会で「授乳室」の設置を提案したところ異論は出ず、全員一致で決定。それぞれの議員がつてを頼り、高齢者施設や乳児院から備品を譲り受けたり、借りたりして準備したという。

 池渕彰議長は取材に「間さんのために特別に税金を使うのではなく、みんなで協力して支えている。男女を問わず、『次は私も』と議員を目指す人が増えてくれればうれしい」と話した。

 定例会で1番の議席に座った…

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    大川千寿
    (神奈川大学法学部教授)
    2023年6月10日22時38分 投稿
    【視点】

    国政は国会会期末に向け緊張感を増す展開となっています。地方政治をめぐっても昨今は様々な課題が指摘されてきている中で、ほっとするニュースです。 ご家族の協力はもちろん、他の議員さんたちがつてを頼って備品を準備したという点や、議長の(特別

    …続きを読む