プーチン氏「攻勢が始まった」と初言及 「成功せず」と強気の姿勢

ウクライナ情勢

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 ウクライナ軍が反転攻勢の動きを強める中、ロシアのプーチン大統領が9日、「始まったと絶対的に確信できる」と初めて反転攻勢に言及した。「すべての試みが失敗した」とロシア軍による撃退に自信を示す一方で、「現代的な兵器が足りない」と珍しく弱気な姿勢も見せる場面もあった。

 プーチン氏はロシア南部ソチで開かれた旧ソ連諸国関連のイベント出席に合わせて報道陣に答えた。ウクライナ側は反転攻勢に着手したかどうかは明言していない。ただ、政権幹部がこれまで何度も実行する姿勢を示してきたのに対し、プーチン氏は反応してこなかった。

 ウクライナ軍による反転攻勢が始まったと判断した理由を、「ウクライナ軍の動きが物語っている」と説明。過去数日間では「どの戦闘でも、ウクライナ軍は目的を達成していない。これは絶対的に明らかなことだ」と強調し、「ウクライナ軍のかなりの損害を確認している」とした。

 ウクライナの反転攻勢については、すでにロシアのショイグ国防相らが攻撃を阻止したと発表している。プーチン氏は「すべて我々の兵士の勇気と英雄的行為、ロシアの兵器、特に現代的な兵器の高い効果によるものだ」とも語った。

 一方で、「ウクライナ軍の反攻の可能性はまだ残っている」としたが、「ロシア軍指導部が状況を実情に応じて評価し、近い将来の行動を決める」と軍を信頼する姿勢も示した。

 ただ、プーチン氏にしては発言も短く、慎重な物言いが目立った。「現代的な兵器が足りないが、防衛産業を急速に強化しており、課題は解決されると確信している」とも述べ、現在は新鋭のミサイルや戦車などが不足していると認めた。

 ロシア軍は今月5日、ウクライナ東部ドネツク州の南部で2日間にわたってウクライナ軍の大規模攻勢を受けたと発表した。ウクライナ軍はその後、同州と境界を接するザポリージャ州でも、ロシア軍の占領地を攻撃しているとみられる。ウクライナは一部の地域での戦闘を認めているものの、反転攻勢を開始したかは明らかにしていない。

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