機密文書問題、トランプ氏を37の罪で起訴 起訴状の詳細も判明

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ワシントン=高野遼
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 トランプ前米大統領が機密文書を持ち出した問題をめぐり、フロリダ州の連邦地裁は9日、トランプ氏への起訴状を開示した。検察はその中で、トランプ氏が文書の機密性を認識していたうえ、文書の隠蔽(いんぺい)にも動いたとの見立てを詳述している。

 8日付の起訴状によると、トランプ氏は、権限がないのに国防に関わる文書を保持したスパイ防止法違反で31件の罪に問われ、司法妨害や虚偽陳述の罪なども含め、計37件で起訴された。司法妨害などに加担したとして、側近ウォルト・ナウタ氏も起訴された。

 捜査を指揮したジャック・スミス特別検察官は記者会見を開き、国防情報を保護することの重要性を指摘して、「これらの法律に違反することは、我が国を危険にさらす」と強調した。「犯罪の範囲と重大性を理解するため、全ての人に(起訴状)の全文を読んでもらいたい」とも述べた。

 起訴状の開示で、これまで明らかになっていなかった当局側の情報も明らかになった。トランプ氏が2021年1月の大統領退任時に持ち出した機密文書は330点以上に上り、米国と外国の防衛・兵器能力▽米国の核計画▽米国と同盟国の軍事的な脆弱(ぜいじゃく)性▽外国からの攻撃に対する報復計画――といった内容が含まれていた。

機密を部外者に見せ、捜査からは隠蔽も

 文書は箱詰めにされ、フロリ…

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    沢村亙
    (朝日新聞論説主幹代理=国際政治、社会)
    2023年6月12日9時46分 投稿
    【視点】

    自らのスキャンダルや疑惑をむしろ「糧」にして支持を固めてきたトランプ氏も、さすがに今回の起訴を「耐えぬくこと(サバイバル)」はできるのか、という方向に米国内の関心は向かっているようだ。次の大統領選は、ホワイトハウスに復権できるかどうかより、

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