エーザイの認知症新薬「レカネマブ」、正式承認を勧告 米国の諮問委

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ニューヨーク=真海喬生
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 米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は9日、エーザイが開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」を正式承認するよう勧告した。FDAは7月6日までに判断する。正式承認されれば、米国で高齢者向けの公的医療保険が適用される。この薬は患者1人の治療に年370万円かかるため、広く使われるには保険適用がかぎを握る。

 諮問委はエーザイが実施した臨床試験(治験)の結果が「治療の利益を証明するか」について投票し、6人全員が賛同した。諮問委の意見はFDAの承認判断とは独立しているが、全会一致で賛同したことで正式承認される可能性は高まった。

 治験では、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)と、軽度認知症の人を対象に18カ月使うと、偽薬と比べて症状の悪化が27%抑えられた。一方で、議論の中では脳の腫れなどの副作用や、抗凝固剤と併用した際の出血リスクなどを指摘する意見もあった。

 レカネマブは、エーザイと米バイオジェンが共同で開発。これまでの薬は対症療法だったが、レカネマブは病気の原因物質の除去をねらった新しいタイプの薬だ。エーザイは日本でも承認申請しており、厚生労働省は今秋ごろに承認について判断するとみられている。

 認知症の患者は2019年時…

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