囲碁世界メジャー「呉清源杯」 8強に日本勢3人、藤沢女流本因坊ら
囲碁の女子世界メジャー「第6回呉清源杯」で、日本勢が躍進した。9日の1回戦に続き10日に2回戦が打たれ、8強に藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美女流名人、牛栄子扇興杯が進出した。10日の準々決勝で、3人は囲碁強国の中国、韓国のトップ棋士と対戦する。
大会には日本、中国、韓国、台湾、北米、欧州から24人が出場。日本からは8強進出の3人と仲邑菫三段が参戦し、仲邑は1回戦で敗れたが藤沢と牛は1、2回戦を連勝。シードされて2回戦から出場した上野は中国の選手に大苦戦し、AIが示す上野の勝率は一時1%まで落ち込んだ。だが、驚異の粘りを見せて混戦に持ち込み、相手の失着に乗じて大逆転した。
仲邑は大会本会場の中国福州市で対面対局し、ほか3人は東京・市ケ谷の日本棋院でインターネットを介して対局した。
「勝てたのは奇跡。中盤の形勢は全然悪くて。これに勝ったら勢いに乗れると思って打っていました」と上野。藤沢は「昨年はコロナに感染して出場できず、昨年の分までがんばろうと思って臨んでいます」、牛は「まさか2回も勝てるとは。1勝が目標だったので。準々決勝はどんな相手でも怖がらず、打ちたい手を打てたら」と話した。
日本は女子世界戦で長らく中国、韓国の後塵(こうじん)を拝してきたが、昨年上野が国内唯一の世界戦「SENKO CUP」で日本勢初の優勝を遂げるなど急伸。今回のメジャー大会でも存在感を見せつけている。
8強に残った国別選手は日本3人、中国3人、韓国2人。11日の準々決勝で、上野は世界最強女子と評される韓国の崔精九段、藤沢は崔のライバルの中国の於之瑩七段、牛は中国の方若曦五段と対戦する。
大会は11日の準々決勝で第1ラウンドを終え、準決勝と決勝は年末に予定されている。(大出公二)
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