タイタニック号探索、5人乗った潜水艇が行方不明 沿岸警備隊が捜索
米沿岸警備隊は19日、1912年に沈没した豪華客船タイタニック号の沈没現場に向かっていた潜水艇が行方不明になっていると発表した。潜水艇には5人が乗船しており、沿岸警備隊などが捜索に当たっている。
沿岸警備隊の記者会見によると、潜水艇が消息を絶ったのは米マサチューセッツ州ケープコッドの東方約1400キロの地点。現場の水深は約4千メートルという。
運営会社から18日午後、潜水艇が予定の時間になっても戻らないと沿岸警備隊に連絡が入ったという。潜水艇には操縦士1人を含め、5人が乗船していた。緊急事態のため、潜水艇は96時間分の酸素を備えた設計になっているという。
沿岸警備隊は航空機で上空から現場に向かうとともに、ソナーを使った海中の捜索も実施。カナダの沿岸警備隊などに加え、近辺の民間船も捜索に協力しているという。米沿岸警備隊は「遠隔地で捜索を行うのは困難なことだが、利用可能なすべての資源を投入し、捜索に当たっている」としている。
海底で残骸を探索、英国の実業家も乗船か
潜水艇は、タイタニック号の沈没現場で海底の残骸を探索することを目的としていた。運営会社「オーシャンゲート」のホームページによると、探索は科学的研究を目的としているが、費用を支払えば民間人でも参加できる。
同社はホームページ上で、7泊8日の日程でツアーへの参加を募集していた。カナダを出発して沈没現場に向かい、5人乗りの潜水艇に乗り込んで潜水。約2時間かけて深海に向かい、タイタニック号の残骸を探索する行程とされていた。
ツアーを支援するオーシャンゲート財団によると、探索は沈没したタイタニック号の腐食や劣化の経過を研究するために計画。専門家に加え、費用を出した民間人も参加できる。探索は2021年に開始し、今年で3年目だった。
民間人がツアーに参加する場合には特段の潜水経験などは不要だが、18歳以上で基本的な運動に対応できる能力が必要だと記載されている。参加費用は25万ドル(約3500万円)。参加者は乗船するだけではなく、訓練を受けてソナー操作や撮影などのミッションにも加わることができるという。
米メディアによると、乗船メンバーには英国の実業家であり冒険家の男性が含まれている。男性のインスタグラムへの投稿には、18日午前4時に潜水を開始する予定だと書き込まれている。(ワシントン=高野遼)
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- 【解説】
最初の航海で沈没した豪華客船タイタニック号。映画「タイタニック」(1997年)をご覧になった方も多いでしょう。 タイタニック号が氷山に衝突したのは、1912年4月14日深夜。当時世界最大の客船でした。4日前に英国サウザンプトン港から米
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