開発競争が激化する対話型生成AI(人工知能)について、国立研究開発法人「情報通信研究機構(NICT)」は4日、日本語に特化した独自版を開発したと発表した。信頼できるAIを自国で作れる態勢整備が狙い。商業利用も可能な形式で提供することを目指すとしている。
米オープンAIのChatGPT(チャットGPT)など生成AIの開発は海外企業が先行している。しかし、学習用データが英語に偏ったり、利用者が入力したデータがどう扱われるかの追跡が難しかったりする課題がある。
そこでNICTは今年3月から生成AIの基盤となる「大規模言語モデル」の開発を開始。ウェブ上の日本語の文章のみ350ギガバイト分を使い、チャットGPTと同様の「トランスフォーマー」と呼ばれる方法でAIを学習させた。
その結果、「エーゲ海での新婚旅行のプランは」と問えば「クルーズ船での旅が人気で……」と、自然に回答できるAIを開発できたという。
計算規模を表す指標は、情報が公開されているチャットGPTの前身「GPT3」の2割にとどまるが、開発責任者の鳥澤健太郎フェローは「意外とうまく動いた。チャットGPTにはかなわないが、チャットGPTが登場した直後の『どうしたらいいんだ』という衝撃に比べれば、『意外と似たようなものがつくれるのではないか』というのが技術者の感覚だ」と話す。
一方で、回答にデタラメが含…
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