宮城、福島の高校生が富士山に登頂 田部井淳子さんの遺志継ぎ今年も

斎藤健一郎
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 女性初のエベレスト登頂者で登山家の故・田部井淳子さんの遺志を継ぐ「東北の高校生の富士登山」(田部井淳子基金主催、朝日新聞社など後援)が開催され、宮城県福島県から参加した高校生26人全員が26日、標高3776メートルの、日本一の頂に立った。

 夜明け前の午前3時過ぎ、静岡県側の富士宮ルート6合目を出発。天候に恵まれ、眼下に雄大な景色をのぞみながら登った。高校生の挑戦を登山ガイドら21人のスタッフがサポートし、出発から約7時間後の午前10時、全員が最高峰の剣ケ峰に立った。

 宮城県工業高1年の佐藤優一朗さん(15)は頭痛に苦しみ、山岳医や看護師のケアを受けて登頂した。「行く前は不安が大きかったけれど、みなさんに親切にしていただき、日本一の山に登ることができました。自信がつきました」。福島県立安積高2年の厚海帆那(あつうみはんな)さん(17)は、初めての山登りで富士山の頂を踏んだ。「一緒に登った仲間や大人の方々がサポートしてくれたおかげです。思い切って挑戦してよかったです」と笑顔を見せた。

 このプロジェクトは、福島県出身の田部井さんが「日本一の富士山に登ることで自信をつけて、東日本大震災の被災地の復興の礎になってほしい」と東日本大震災の翌年からスタートした。田部井さんが2016年10月に亡くなった後も長男の進也さん(44)がプロジェクトを引き継ぎ、一般の人たちや企業の支援を得て、開催されている。斎藤健一郎

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