新型コロナウイルス感染症の後遺症のリスクについて、約12万人の調査結果を医薬基盤・健康・栄養研究所などのチームが発表した。60歳以上は、若い人に比べてうつ傾向になる率が高く、要介護度が上がる傾向もわかった。チームは「高齢者は注意深く経過を見守ってほしい」としている。
チームは医療法人「徳洲会」で新型コロナウイルス感染症と診断された約12万人の電子カルテを解析した。1期(2020年1月~21年6月)、デルタ株が流行した2期(21年7~12月)、オミクロン株が流行した3期(22年1~6月)に分けた。診断から2週間の「急性期」、2週間以降の「慢性期」に分け、慢性期の症状を後遺症とした。チームによると、カルテの記載に基づいたため、聞き取り調査などより後遺症の発症率は低いという。
解析の結果、1期で急性期の倦怠(けんたい)感・疲労感は1・54%、慢性期は0・12%。3期になると、急性期が0・61%で、慢性期は0・06%。いずれも1割が急性期以降も後遺症として残ったが、1期に比べて3期の実数は減っていた。ウイルスの性質に加えて、ワクチン接種率が上がったことが影響したとみられた。
3期に感染した60歳以上の…
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