第2回父ちゃんが死んだ日バンザイした 元日本兵の家族、受け継がれる虐待

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後藤遼太
【動画】復員兵だった父から虐待を受けてきたことを証言した藤岡美千代さん=後藤遼太撮影
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 9歳の冬、父が死んだ。

 藤岡美千代さん(64)は、兄と2人で歓声を上げ、何度もバンザイした。

 「やった! もうあの人おらんから、ご飯食えるな。ゆっくり寝られるな」

 自殺だと知ったのは、何年も後だった。

 父・古本石松さんは1922年に鳥取市の農家に生まれた。21歳で兵隊にとられ、シベリア抑留を経て終戦の3年後に故郷に戻った。

 藤岡さんが物心ついたころ、父はすでに酒が手放せなくなっていた。

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悪夢、酒浸り、家族への暴力――。過酷な戦争体験からトラウマを抱え、後遺症に悩む旧日本兵たちの存在は置き去りにされてきました。ようやく語れるようになった子や孫の証言から、連鎖する心の傷の問題を考えます。

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