玉木氏「入閣しない」も残る火種 党内対立が顕在化 国民民主代表選

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松井望美 楢崎貴司
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 国民民主党代表選が2日投開票され、玉木雄一郎代表(54)が前原誠司代表代行(61)を破り、再選を決めた。政策実現のため与党とも協力する路線が支持された形だが、野党のあるべき姿をめぐって党内対立が顕在化。今後の党運営次第では火種が再燃する可能性もある。玉木氏の任期は2026年9月末まで。

 2日午後、東京都内のホテルで行われた開票の結果、玉木氏は国会議員21人のうち14人の支持を集め、焦点となっていた地方議員や党員・サポーターからも約8割の支持を確保。前原氏に2・5倍以上のポイント差をつけて圧勝した。

 その後の会見で、玉木氏は「今の路線が承認された。政策実現を重視し、少しでも動いて成果を取ることが重要だ」と強調。「玉木路線」を支えてきた榛葉賀津也幹事長を続投させることも表明した。

路線めぐり、主張が真っ向対立

 一騎打ちとなった選挙戦で、双方の主張が真っ向から対立したのは、与党との距離感だった。

 「対決より解決」を掲げた玉木氏は、従来の野党連携を否定。「自民党のために働いたことはない」と繰り返す一方、「政策本位で与野党を超えて連携、協力する」と述べ、自民とも組む可能性を否定しなかった。

 これに対し、前原氏は野党分断を狙う与党に利用されていると批判。日本維新の会立憲民主党の一部との連携を念頭に、「自民と対峙(たいじ)し、政策本位で『非自民・非共産』の結集を進めて政権交代を目指す」と訴えた。

 党内では、前原氏の主張の実現可能性を疑問視する声があがる一方、「昨年、政府当初予算に賛成したことで支持者が離れていった」(若手議員)、「与党にくみするなどありえない」(ベテランOB)などと、玉木路線への不満も浮き彫りとなった。

■連立入り模索の動き、自民内…

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    曽我豪
    (朝日新聞編集委員=政党政治、教育改革)
    2023年9月3日14時1分 投稿
    【視点】

    連立政権というか、政党間協力について改めて考える機会になっていると思います。 政党が協力する舞台は、国会と選挙、政権の三つがあると言われます。逆に言えば、法案審議において国会で協力したからと言って、選挙やとりわけ政権で完全に同一行動をとら

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