「地下鉄サーフィン」、NYで若者の死亡相次ぐ 動画拡散の影響も
米ニューヨーク(NY)で、動いている地下鉄車両の上に乗る「地下鉄サーフィン」が問題になっている。ソーシャルメディアを通じて動画や写真が拡散しているが、事故も相次ぎ、今年に入って10代の若者を中心に5人が死亡した。NY市などは5日、防止キャンペーンを展開するとともに、IT企業と協力して動画などを削除していることを明らかにした。
NY市の地下鉄網は24時間態勢で走り続け、高架鉄道となっている部分も多い。以前から車両の上に乗る人はいたが、この数年で急増している。NY州などによると今年1~6月に450件超が確認された。2018~22年の死亡件数は5人だったが、23年は既に同数になり、うち4人が14~16歳だったという。
増加の理由の一つは、「地下鉄サーフィン」の様子を映した動画がソーシャルメディアで人気を集めているためとみられる。NY市のアダムス市長は5日の会見で「こうした動画は、若者に危険な行動を取らせている」「こうした行動の結果、命が奪われている」と訴えた。
会見で、アダムス氏らは防止のため、「地下鉄サーフィンは殺す」というキャンペーンを展開すると発表した。地元の高校生らが作製した、安全啓発のアニメを地下鉄の駅で流すなどするという。グーグルやティックトックなどのIT企業と協力し、関連の動画の削除も進めており、既に2600件の動画や写真が消されたという。(ニューヨーク=中井大助)
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- 【視点】
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