NZ警察官から異色の転身 ジョセフHCを支える通訳・吉水奈翁さん

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松本龍三郎
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 グラウンドやロッカールーム、コーチ席に記者会見場。日本代表のヘッドコーチ(HC)がどこに居ようと、そばにはいつも彼の姿がある。

 代表の通訳として4年目を迎えた吉水奈翁(なお)さん(45)は、自身を「影武者」に例える。

 「手を動かすとか、指をさすとか、表情も一緒みたいです。訳している時の写真を見た人から、同じポージングをしているね、とよく言われます」

 ジェイミー・ジョセフHCをはじめ、日本のコーチ陣にはニュージーランド(NZ)出身者が多い。そのコーチングには、吉水さんの存在が欠かせない。

 厚い信頼を寄せられる理由の一つに、ユニークな経歴がある。かつて、NZで警察官として働いていた。

 川崎市で生まれ、幼稚園からラグビースクールに通った。中学2年の時、一家4人でNZに移住。ラグビーは現地の高校やクラブチームで続けた。

 高校卒業後は家業の自動車修理工場で働いた。30歳で、NZ警察が募集を始めた「日本人警官」に応募。採用の第1号となった。

 オークランドの警察署に勤務。管内には、オールブラックス(NZ代表)の聖地イーデンパークがあった。オールブラックスの試合日は、休みを潰してでも会場警備を志願した。

 転機は突然訪れる。2014…

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