人・ひと 42年ぶり甲子園 「特別な場所」実感

小山裕一
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元甲子園球児の静岡県高校野球連盟会長 清水淳次さん(60)

 この夏、42年ぶりに阪神甲子園球場に足を運んだ。1981年の第63回全国選手権大会では、静岡代表・浜松西の主将として出場。今年は静岡県高校野球連盟会長として、開会式や浜松開誠館の試合を見届けた。

 高校3年の夏、入場行進前にソフトバンク前監督の工藤公康さん(60)らがいた名古屋電気(現・愛工大名電)の選手と雑談したこと、1回戦の佐賀学園戦で一塁側の浜松西応援席が大きく沸いたことを、鮮明に思い出した。「青春をかけるのにふさわしい特別な場所だ」と改めて感じた。

 県立高校教諭として、湖西や浜松西の監督を19年間担った。その間、甲子園は「選手たちと一緒に来る場所」として、プライベートでも足を向けなかった。現在は浜松大平台校長。監督としての出場はかなわなかったが、「甲子園を目指して教え子たちと日々、汗を流せたことはよかった」と振り返る。

 浜松開誠館はこの夏、県勢として5年ぶりとなる勝利を挙げた。「県内は甲子園に手が届きそうな高校が数多くある群雄割拠。その中で全国で通用する力があることを示した」と喜ぶ。

 甲子園出場の前年夏、浜松西は静岡大会決勝で敗れている。「決勝まで行った満足感」の一方、「あと一歩だった」という悔しさも残った。その思いをバネに翌年夢をかなえた。

 今夏の静岡大会閉会式では、そうした経験をあいさつでにじませた。「一昨年に続く準優勝で残念かもしれないが、再び甲子園で暴れる日が近いと確信している」と、敗れた東海大静岡翔洋の選手たちを励ました。

 「部員たちが『やりきった』と思える高校野球であってほしい」(小山裕一)

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