ヘッドハンティングの「補佐官」が変えた役場 1万人の町で進むDX

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羽賀和紀
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 カツオの一本釣りで栄えた高知県黒潮町。

 白浜の砂浜が広がる風光明媚(めいび)な町が危機に立たされている。

《30年後には1万2千人の人口が半数になる》

 2016年に発表した衝撃的な見通しが、町民に驚きを持って受け止められた。

 止まらない人口減少に抗(あらが)う策として町が目を付けたのが、国の進める「デジタル田園都市国家構想」(デジ田)だった。

 山積する課題にデジタル技術を活用して立ち向かう。いま話題の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。

 しかし、役場内を見渡しても、190人の職員でデジタル技術に精通し、DXを推進できる適任者は見つからなかった。

 「自治体DXなんて簡単に言うけれど実行するのは難しい。どつぼにはまっていた」と松本敏郎町長は振り返る。

 その黒潮町がいま、自治体DXで他の自治体の先を進んでいる。

「まさかこんな時代になるとは」

 「役所といえば、こういうものだと思っていた」。数多くの書類を広げながら住民課の室津百香(ゆか)課長補佐は振り返った。

 例えば町に引っ越す場合。転…

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