モロッコ地震「激しい揺れに跳び起きた」 国際会議で現地滞在の市長

南島信也
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 モロッコの観光都市マラケシュ滞在中に、同国中部を襲ったマグニチュード6・8の地震に遭遇した静岡県伊豆の国市の山下正行市長が14日に帰国し、市役所で記者会見した。地震発生時の様子や現地の状況などを報告し、地震対策の必要性を強調した。

 地震はマラケシュ南方の山岳地帯を震源に8日午後11時(日本時間9日午前7時)すぎに発生。山下市長は、伊豆半島ジオパークを運営する「美しい伊豆創造センター」(伊豆市)の副会長で、センターの職員3人とともに国連教育科学文化機関ユネスコ)の世界ジオパーク国際会議出席のため、7~12日の予定で滞在していた。会議には日本のジオパーク14カ所の関係者約40人を含め、世界から1千人以上が参加したという。

 山下市長は「就寝中、激しい横揺れで跳び起きた。1分近く揺れが続いたがホテルに被害はなく、そのまま部屋にとどまった」と、恐怖の瞬間を振り返った。その後、無料通信アプリのLINE(ライン)の通話機能で自身の安否を連絡したという。

 国際会議は分科会が中止になるなどプログラムの変更はあったものの、9日の閉会式で伊豆半島ジオパークは世界ジオパークに再認定された。

 山下市長が10日に旧市街地を視察したところ、建物の倒壊など被害の一端がうかがえたという。避難所は設けられておらず、鉄筋の入っていない耐震性の乏しい建物が多いため、倒壊を恐れて外で過ごしている人たちもいた。「日本ではいつ地震が起きてもおかしくない。今回の経験を踏まえ、避難態勢の構築や防災対策をしっかりと講じていきたい」と話した。

 市は市社会福祉協議会が窓口となり救援金を受け付ける。美しい伊豆創造センターも世界ジオパークネットワークを通じて義援金を贈る予定だ。(南島信也)

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