タンカー衝突の台風21号から5年 孤立教訓、今年の7号乗り切る
関西空港の連絡橋にタンカーが衝突し、約8千人が孤立した2018年9月の台風21号から5年が経った。関空はこの間、事業継続計画(BCP)を改め、護岸のかさ上げなどハード面も強化。先月に近畿を直撃した台風7号への対応でも、当時の教訓が生かされた。(田中章博)
空港で夜を過ごす人に寝袋
台風7号が迫りつつあった8月14日夜。フランス人の翻訳家ジュリ・ステファンさん(38)は関西空港にいた。東京や関西を観光して15日に帰国する予定だったが、橋が不通になる事態も想定し前倒しで渡った。この日、約650人の旅客が空港で夜を過ごした。
関空は5年前の台風21号の教訓から、寝袋を追加するなど備蓄を拡充。ジュリさんも、スタッフから家族3人分の寝袋と水を受け取り一息ついた。「子どももいて不安だった。体を覆うものを持っておらず寝袋は助かった。さすが日本という対応でした」
関空は4年前に改めたBCPで、災害発生から24時間内は平時と同等の環境を旅客に提供すると定めている。このためハンバーガー店やコンビニが営業を続け、食べ物や飲み物がなくなることもなかった。
空港内のディスプレーでは、4カ国語で災害情報や交通アクセスの状況、配布物の案内が示された。これも、停電で館内放送が途絶え、外国人が「情報難民」になった5年前を教訓に改善されたものだ。
災害経験のない海外旅客が不安なのは
ジュリさんが困ったのは、航…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら