香川県議の海外視察 客室グレード下げ1人263万円→188万円に
香川県議の訪問団が11月、1人あたり263万円をかけて南米と北米を訪問する海外視察計画が高額すぎると批判を受けていた問題で、県と県議会事務局は15日、旅費を精査した結果を公表した。
航空機はビジネスクラスのままだが、チケットの購入方法を変えたり、宿泊ホテルの客室グレードを下げたりして、県議1人あたり75万円減額し、188万円にしたとしている。
海外視察は11月10~19日、池田豊人知事とともにブラジル、パラグアイ、アメリカの3カ国を訪問し、南米の県人会の周年行事などに参加する。
県議は当初8人が参加予定だったが、7月に計画を議決した後、1人が辞退、1人が死去し、6人となった。
当初の見積もりでは、航空券代、宿泊代、ガイド・車両代など県議8人分で計2106万円。1人263万円となる計算だった。6泊するホテルはエグゼクティブシングルなど、最高で1泊6万6千円だった。
今回は、県議6人に知事と随行職員4人を加えた11人分として、総額1763万円と公表した。1人あたりの費用は知事199万円、県議188万円、随行職員110万円としている。
航空機は「他県でもビジネスクラスが多い」などとしてビジネスのままだが、乗り継ぎ路線をすべてパッケージで買う、変更しづらい方法にすることで、1人あたり56万円削減した。
ホテルについては、知事は緊急の協議ができるスペースと机やソファを備えた客室に泊まるが、県議は全員、随行職員と同じスタンダードに見直し、1泊3万3千円~4万4千円。
ブラジル県人会の顧問から「できるだけ県人会館を使ってほしい」との声も出ていたが、セキュリティーや機能性を理由に挙げ、ホテルを見直すことはなかった。
このほか、式典の通訳を県人会に依頼したり、移動車両を知事と議会側で1台に集約したりして、コスト縮減を図ったという。
県庁で記者団に説明した桑原仁・知事公室長は「南米移住者の労苦に敬意を表し、青年交流や県産品の販路拡大などで引き続き協力をお願いする」と南米訪問の意義を強調した。
三好謙一・県議会事務局長は「計画書の概算はこれだけあれば行けるのではという上限を見積もったもので、そのまま契約するつもりは全くなかった」としつつ、「各方面から意見をいただき、精査した」と話した。(多知川節子、山田健悟)
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