歌舞伎俳優・市川猿翁さん、83歳で死去 「スーパー歌舞伎」創始
現代的な音楽や照明を演出に採り入れた「スーパー歌舞伎」の創始や古典の新演出で、歌舞伎の可能性を追求した歌舞伎俳優の市川猿翁(いちかわ・えんおう、本名喜熨斗政彦=きのし・まさひこ)さんが13日、不整脈のため東京都内で死去した。83歳だった。葬儀は近親者で行い、後日お別れの会を開く予定。
1939年、三代目市川段四郎の長男として生まれた。47年に三代目団子(だんこ)を名乗り初舞台。63年に祖父の名を継ぎ、三代目猿之助を襲名。2012年、二代目猿翁を襲名した。
68年4月、国立劇場で演じた「義経千本桜 川連法眼館」の狐忠信で、客席の上を飛ぶ宙乗りに挑み、大きな話題を呼んだ。その他の作品にも積極的に採り入れた結果、宙乗りの回数は5千回を超え、ギネス世界記録にも登録された。
86年の「ヤマトタケル」(梅原猛作)に始まるスーパー歌舞伎では、歌舞伎の演技法と最新の舞台機構や照明を融合させた新作を発表し、社会現象となった。
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