維新の池下衆院議員、公設秘書に市議2人雇用 兼職届け出なし

吉川喬 島脇健史
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 日本維新の会の池下卓衆院議員(48)=大阪10区=が、公設秘書大阪府高槻市議2人を雇っていたことが分かった。国費で給与が賄われる公設秘書は国会議員秘書給与法で兼職が原則禁止され、議員が兼職を認めた場合も国会に兼職届を提出しなければならないが、出していなかった。

 池下氏によると、雇っていたのは甲斐隆志氏(59)と市来隼(はやと)氏(36)。池下氏は2021年の衆院選で初当選し、当時高槻市議だった2人を同年11月ごろから公設秘書とした。

 甲斐氏は市議の任期が終わるまでの約1年半、市来氏は後任と交代するまでの約4カ月間、公設秘書を兼職していた。高槻市内の事務所で、池下氏のスケジュール調整や市民からの相談の受け付けなどを担当した。

 甲斐氏の秘書給与は年間800万円を超え、市議の報酬とあわせて年間約2千万円を受け取っていた。市来氏の秘書給与は4カ月間で約100万円だったという。

 甲斐氏は現在も公設秘書で、市来氏は大阪府議になっている。

「どちらもきちんとしていた」「休み返上でやっていた」

 池下氏は取材に対し「2人には休日返上で秘書業もこなしてもらった。兼職届を出せていなかったのは事務的ミス。支援者や有権者に心配をかけて申し訳ない」と話した。

 甲斐氏は「地元を回って困りごとを聞き、丁寧に対応するという活動は市議も秘書も一緒。どちらの仕事もきちんとしていた」、市来氏は「秘書の仕事は後任が決まるまでの期間限定で、休み返上でやっていた。秘書給与は労働の対価として受け取った」と説明している。また2人は、秘書給与について「事務所に入れる行為はしていない」と話した。(吉川喬、島脇健史)

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年9月19日10時2分 投稿
    【視点】

    国会議員の公設秘書は法律上、確かに例外的に兼職できますが、それは「国会議員が議員秘書の職務の遂行に支障がないと認めて許可したとき」です。国会議員の公設秘書も地方議会の議員も大変な仕事です。「休日返上」で両立させていたなら人権問題であり、両立

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